国語の字引きも引くとなしに、青年は綴る。
うなだれることでしか我がの存在意義を表現できぬことを
言語化できぬまま、その思念に魘され、
有機溶剤のにおいに秋の夕陽を1秒眺める。
嘗て抱いた女の匂いが、感覚を通さず精神に蘇り、
ただただ、鍍金の輝きを眺める。
胃は快調で、肝臓もよい。
ただ、すぐに嘔吐してしまう以外に異常はない。
オマエが好きやて言うて、なんのコトバの効力があるかいて。
好きや、愛してる、俺と一緒になろう。
寒い夜はオマエの足を俺が手で暖めて一緒に眠ろうや。
うなだれて、成形機の音に、ラテンのリズムを読み取る。
いや、これは変則のビバップのリズムだろうか。
うなだれることでしか己の存在意義を表せない。
もう太陽は5分の1沈んで、俺はタバコをフィルターまで吸った。
相変わらず缶コーヒーはまずい。
せや、ビールを呑めば胃はすっきりするかもわからへん。
思想することもなく眠るのだ。

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